QSE

原子核システム安全工学講座
核エネルギーシステム安全工学分野 (高橋(信)・狩川 研究室)

「人間はミスをする」ことを科学する。
認知・行動特性への考察と理解を基に、より安全な“人とシステムの界面”を考える。

  • 核エネルギーシステム安全工学分野
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大規模・複雑システムの安全性向上。鍵を握るのは「人」。

 原子力プラントや化学工場、製鉄・製錬所、航空機などの大規模・複雑システムは、社会や暮らしに大きな利益をもたらしてくれますが、ひとたび過酷事故が発生した場合、重大な影響や損害を及ぼす可能性があります。これまで、より高い安全性や信頼性、社会的安心に向けて、ハード面/技術面での改良・改善が重ねられ、機械由来の事故低減に効果を上げてきました。その一方で、高度に自動化したハイテク機器の状況把握や、煩雑な手順・ルールの遵守など、現場担当者が新たな負担を強いられる問題が発生しています。何らかの形で人間が介在する以上、ヒューマンエラー(人為的過誤や失敗)を完全に回避することは困難です。ここで重要なのは「人間はミスをするものだ-To erris human, (to forgive divine).」という視点です。

 高橋研究室が掲げるのは「人間・機械・環境の調和」による安全性の向上。大規模・複雑システムが安全・効率的に動作・運用されるために考慮しなければならないヒューマンファクタ(人的要因)の考察と理解を核として、原子力システムのみならず、航空管制業務、マンマシンインターフェース、サイバーセキュリティ、ルールの適正化など、多岐にわたる研究テーマに取り組んでいます。研究対象は人間そのもの。東北大学加齢医学研究所や現役の専門家・技術者との連携の下、脳科学的なアプローチと知見を盛り込みながら、人間の認知・行動特性を探究し、研究へとフィードバックしています。広い視野と柔軟な発想、独創力で、安全性が宿る“人間とシステムの界面”を切り拓きます。

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